ScholAgora第3回セミナー「大学図書館にとっての機関リポジトリ」(2024年12月12日開催)

2024/11/26

下記のように、ScholAgora第三回セミナーを開催します。

【日時】2024年12月12日(木)午後1時半より
【タイトル】大学図書館にとっての機関リポジトリ
【講演者】杉田 茂樹氏(オープンアクセスリポジトリ推進協会(JPCOAR)運営委員会 委員長)
   Zoomによるon line 開催

Institutional Repository(IR)が日本ではじめて実装されてから、何年の時間が経ったのでしょうか?我が国が世界に冠たるIR大国であることは間違いないところですが、IRへの論文デポジットを図書館員の方々が獅子奮迅の努力で研究者へ説明をされ、もしくはパンフレットを配布されて!という日々とは、現在のIRの様相は異なっているようにも思えます。

今回は、北大図書館で 機関リポジトリ「HUSCAP」を構築し、今は、京都大学図書館で勤務をされる、杉田茂樹氏を講師にお招きしました。杉田氏はまたJPCOAR運営委員会の委員長でもあられます。「学術コミュニケーションの変容をどう見ており、機関リポジトリをどう見ているか、といった内容で、かつて機関リポジトリ構築・運営を担当していた元担当者の立場でお話ししようかなと思っています。」と杉田氏からは、お知らせを受けています。2025年即時OAにより、IRはどう展開するのか、もしくはしないのか?なども含め、IRに関する豊富な経験と知識をお持ちである杉田氏のご講演を今回は伺います。

参加のご登録は下記の申込フォームから可能です。
参加を希望された方々には、12月11日午後にセミナー参加のためのurlを送信します。

【参考資料】
尾城 孝一, 市古 みどり, オープンアクセスの現在地とその先にあるもの
大学図書館研究, 2018, 109 巻,
公開日 2018/09/13, Online ISSN 2186-103X, Print ISSN 0386-0507
https://doi.org/10.20722/jcul.2014

抄録: オープンアクセスとは査読済みの学術論文に対する障壁なきアクセスを意味する。1990年代初頭から始まった多くの運動の結果,OAは着実に進展してきた。本稿では,はじめにOAの定義,背景,小史を振り返り,次いで,近年の大規模なデータを使った調査に基づき,OAの進捗度と影響度を概観する。さらに,OAに関する最近の特筆すべき動向を踏まえつつ,今後の更なるOA推進のために,大学図書館が取り組むべきことを指摘し,最後に「OAの先にある」大学図書館の新たな使命について論じる。

 

河合 将志, 尾城 孝一, 前田 隼, 西澤 正己, 山地 一禎, 機関リポジトリによるオープンアクセス進捗率の因果分析
情報知識学会誌, 2021, 31 巻, 1 号, p. 20-30,
公開日 2021/03/26, Online ISSN 1881-7661, Print ISSN 0917-1436
https://doi.org/10.2964/jsik_2021_015

抄録:日本では800以上の機関リポジトリが運用されているが,学術雑誌論文の登録に積極的な機関は一部に限られている.本研究では,機関リポジトリコミュニティに指針を与えることを目的として,学術雑誌論文件数と図書館員によるオープンアクセス推進活動の因果関係を分析した.国内87機関のデータを計量分析した結果,研究者へ直接アプローチする「学術雑誌論文提供依頼」の実施は,学術雑誌論文件数の増加に特に効果的である一方で,「オープンアクセス方針」の策定や「セルフアーカイブ」の実施は,それほど効果的ではないことがわかった.因果関係の詳細を把握するために,「学術雑誌論文提供依頼」に関して追加で収集した4機関のデータからは,その年間成功率の平均は36.32%であり,最も効果的に実施できている機関の平均と最高値は,それぞれ55.82%と73.20%にも及ぶことが明らかになった.

 

NIIの学術機関リポジトリ構築連携支援事業(通称、CSI事業)に関するドキュメントのサイトhttps://www.nii.ac.jp/irp/archive/report/